大学で数学を勉強しようと思う方はこれを読みましょう【後編】
前編はこちら↓
えーと、
の値が0に近づいていく
ことの証明でしたね。
小・中学校の時のように、xにチマチマ値を入れていってもそれでは不十分という話でした。
「帰納法で示せばいいんじゃね?」
と思った方もいるかもしれません。
高校で習った、
- xが1のとき→成立
- xがkのとき→成立すると仮定
- xがk+1のとき→成立
よって、すべてのxで成立
という形の論法です。
ただ、今回は帰納法では示すことができません。
なぜなら、xには実数が入るので、自然数以外の値も入りうるからです。
数学の公理の一つとして、どんなに狭い区間でもその間に実数は無限大に存在しているため、帰納法でこれを示すのは不可能です。
ということで、数学者はこのように示します。
いかがですか?
大学で数学に触れていない方だとさっぱりだと思います。
途中に出てくる、「∀」や、「ε」や「δ」などの記号はすべて、数学の記号になります。
本来はギリシャ文字だそうです。
「アルファベットじゃあかんの?」と思われた方、私も同意見です。笑
ちなみに、数学の証明では、「ε(イプシロン)」と「δ(デルタ)」の記号をよく使って証明するのですが、これらの記号を使った証明方法を「ε-δ論法」なんて言ったりします。
大学で数学を学ぶ者が最初に戸惑うポイントです。笑
そして、これらの証明方法は、世界共通です。
先程の写真の場合でも、「このとき」の部分を、「then」に直すだけで、世界中の方が理解することができるようになります。
すなわち、数学とは”言語”の一つなのです。
数学を理解するためには、「数学」という言語を「日本語」に理解するようなものだと私は思います。
ちなみに、さっきの証明を日本語に訳したのがこれ↓
ここまで見ていただけたらわかると思いますが、大学の数学では、数字がほとんど出てきません。
ほとんどが記号なのです。
計算そのものはパソコンなどの機械にやらせるため、ゴリゴリ計算させられることはほとんどありません。
その一方で、抽象的な話や定理・命題・補題の証明を学んでいくことがほとんどになります。
例えばこんな感じ↓
正直、これが好きな人は”変人”だなと、私は思います。笑
(私は嫌いなので)
大学のオープンキャンパスとかでもこんなことを紹介したらいいのに、説明してもわからないような研究の話ばかりするので、私のような落ちこぼれマンが出てくるんじゃないかと思ったりします。
大学でどんなことを学べるかがもっと詳しくわかる機会、転学や転部、はたまた大学を卒業しなくても肩身の狭い思いをせずに働ける環境があればいいのになー
と思ったりもします。